卵黄と卵白で異なる?卵の栄養分析と効能

ゆで卵や目玉焼きなど、卵は日常的によく食べる身近な食品です。オムライスや天津飯、プリンなど、卵を使う料理もたくさんありますよね。マヨネーズのような調味料にも含まれています。この記事では、そんな人気食材の卵の栄養分析を徹底調査します。

卵の栄養成分や効能を知って、賢く毎日の食事に取り入れたいものですね。

食品の栄養分析表を表示するには検査が必要

完全栄養食品と呼ばれる卵とその種類

卵は食物繊維とビタミンC以外のすべての栄養成分を含んでいる食品です。なかなかこれほどまでに栄養バランスが取れている食品はないでしょう。それゆえに、完全栄養食品と呼ばれています。スーパーで売られている卵を見たときに、白い殻と茶色っぽい殻のものがありますよね。

一般的には白玉と赤玉に分類されますが、含まれる栄養成分に関しては差はありません。殻の色の違いは、鶏の種類が関係しています。赤玉の代表には名古屋コーチン、白玉はレグホンという鶏が挙げられます。卵の栄養分析においては、殻の色ではなく卵黄と卵白で見ていく方が良いでしょう。

それぞれ含まれる成分は異なってきます。いずれにせよ、卵は人の健康と美容に非常に役立つ食品です。まさにマルチプレイヤー食品と名付けても過言ではないでしょう。

卵黄に含まれる栄養成分分析

卵の黄色の部分のみに注目して、栄養分析をしていきましょう。卵黄1個は約20gであり、その中でも主成分となる栄養について注目します。卵黄はたんぱく質の配合量が多く、3.3gです。そして、脂質が6.9gで、その中でも人の健康にプラスに影響するのがオレイン酸と呼ばれる脂肪酸です。

オレイン酸は悪玉コレステロールを抑制する作用があるとされ、成人病やメタボ防止につながります。そして、ビタミン類も卵黄にしっかりと含まれています。内訳としては、ビタミンAが140μg、ビタミンDが2.4μgと豊富です。

他にも、ビタミンB6やビタミンB2、ビタミンB1が含まれています。ビタミンAは皮膚の粘膜を保護強化して炎症を防ぐほか、目の健康にも欠かせません。卵黄1つで成人男性の1日に必要量の約21.5%、女性なら約28%が摂取可能です。

ビタミンDは、骨を強化するカルシウムの吸収率を良くする働きがあります。カルシウムとビタミンEを一緒に摂ることで、より効果が高まります。そんなカルシウムの配合率は28mgです。つまり卵黄を食べることで、良い具合にカルシウムとビタミンEが同時摂取できることになります。

さらに、マグネシウムが2mg、リン110mg、鉄1.0mgという数値です。ミネラル分に関しても、卵黄からしっかり取り入れることができます。鉄分は赤血球を作るために欠かせません。とは言え、不足しがちな成分の代表ですから、積極的に摂取して貧血を防ぎましょう。

そのほかに、味覚を正常にすると共に男性の精力アップに欠かせない亜鉛は0.7mg含まれます。葉酸が30μgで、これはDNAの合成を助ける働きをします。このように栄養分析をすると、卵黄だけでも非常に栄養価が高いことが分かるでしょう。

卵白に含まれる栄養成分分析

次に、卵白についての栄養分析になります。卵白は1つで約30gです。卵黄と同じく、卵白もたんぱく質量は豊富で3.0gとなります。卵白の成分として配合量が多いのは、カリウムで42mgです。カリウムとは、体内の過剰摂取したナトリウムを外へ出す働きをします。

高血圧の人は塩分摂取が良くないため、カリウムをしっかり摂る必要があります。むくみの予防にもなる成分です。成人男性の1日の摂取目安量の約1.7%、女性であれば約2%が卵白で摂取できます。そのほかには、ビタミンB2が0.11mg、カルシウム2mg、マグネシウムとリンが共に3mg摂取できます。

卵白には脂質が含まれておらず、カロリーが低いことも特徴的です。卵白のみの料理というのは、あまり思い浮かばないかも知れません。お菓子作りやフレンチの飾りつけなどで使われるメレンゲは、卵白のみを泡立てて作ります。

カロリーが気になる人は卵白のみを食べる手もありますが、やはり卵黄も食べてこそ栄養がバランス良く摂取できると言えるでしょう。

全卵の栄養成分と効能

卵黄と卵白を合わせた全卵は、1つで約50gです。卵黄と卵白それぞれの栄養分析を見ても分かるように、全卵はたんぱく質が豊富です。特に全卵のたんぱく質は、アミノ酸スコアが高いと言えます。アミノ酸スコアは必須アミノ酸の配合バランスで評価されますが、全卵のスコアはなんと100という数値です。

これは全卵が非常に良質なたんぱく質源であることを示しています。良質なたんぱく質が与える人へのメリットとして、疲労回復や代謝促進、筋肉量の維持向上などが挙げられます。人の体を形成している爪や髪の毛、筋肉などはすべてたんぱく質が元になりますので、しっかりたんぱく質を摂らなければ健康ではいられません。

筋肉量が増えると代謝も良くなり、太りにくい体質にもなれるでしょう。さらに、ビタミンAやビタミンEといった成分は抗酸化作用が高いです。老化を進める活性酸素を抑制するのが、抗酸化作用です。それゆえに、卵はアンチエイジングにもつながる食品と言えます。

肌や髪は勿論、血管を若々しく保つためにも全卵は効果的な食べ物です。血管を錆びさせないためにも、積極的に食べたいものですね。

栄養価が高くなる食べ方

卵は生で食べるのと加熱するのとで、果たして栄養価が変わるのか気になる人もいるかもしれません。生で食べる場合、卵かけごはんというスタイルが多いのではないでしょうか。火を通すとなると、ゆで卵や卵焼き、目玉焼きがメジャーですよね。

実際のところは、生でも火を入れてもそれほど栄養価は変わらないとされています。ただ、加熱することによって増加する栄養成分があります。それは、ビタミンB群の一種であるビオチンです。ビオチンはエネルギー代謝を良くすると共に、体の炎症を抑えるなどの働きもあります。

扁桃腺の腫れや皮膚の怪我など、何かしら炎症を鎮めたいときには卵は加熱してビオチンをしっかり摂取するのがおすすめです。

便利で栄養抜群の卵で元気いっぱいに!

このように、卵の栄養分析をしてみると卵の栄養価の高さが改めて実感できるでしょう。ほとんどの家庭では、常に冷蔵庫に卵があるのではないでしょうか。日常的に取り入れやすく、さらにお弁当にも活用できる便利な食品です。

これほどまでに栄養があるのですから、体のために食べない手はないでしょう。いろいろな食べ方がありますので、自分のお気に入りを見つけて元気の源にしましょう。